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人工知能とは? |「人工知能は人間を超えるか」本のまとめ

2020-04-06

人工知能とは何なのか、AIとはどのように生まれて、将来どうなっていくのかを考えていくための読書メモ。

人工知能を作ることは可能か?

基本テーゼとして、できる。なぜなら人間の脳は電気回路と同じだから。

脳の中には多数の神経細胞があり、電気信号が行き来している。神経細胞の中にシナプスがあり、電圧が一定以上になれば、神経伝達物質が放出され、それが次の神経細胞に伝わると電気信号が伝わる。

パソコンも、プログラムでできていて、CPUを使って実行され、電気回路を流れる信号によって計算されるので全く同じ。計算可能なことは、全てコンピュータで実現できる。脳の活動、思考・認識・記憶・感情は、すべてコンピュータで実現できる。

人工知能とは?

著者は、「人工的につくられた人間のような知能であり、人間のように知的であるとは「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から「特徴量」を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータ」として定義している。

人工知能の歴史

第1次AIブーム

第1次AIブームは1950年代後半~1960年代に起きた。「推論・探索」の研究が主となる。探索木を使った場合わけ。探索技を使った場合わけでは、迷路やパズルなど明確に定義されたルールのなかでの問題しか解けなかった。現実の問題には応用できず。


第2次AIブーム

第2次ブームは1980年代。コンピュータに「知識」を入れると賢くなるというアプローチが取り込まれる。「エキスパートシステム」ある専門分野の知識を取り込み、推論を行うことで、エキスパートのように振る舞うプログラム。

例えば、1970年にスタンフォード大学腕開発されたMYCINは伝染病の血液疾患の患者を診断し、抗生物質を処方するようにデザインされている。

知識を書くとはどういうことか?If… then (もし…なら、…だ)という形で知識を書くことができる。例えば、上記の例なら、「(if)もし細菌の形は▲▲で、患者の痛みがひどいなら、(then)〇〇と判定する」というような形でたくさんのIf...Then...を書く。 

しかし、知識の数が増え、書かなければならないルールがたくさんできると、知識を記述し直したり、管理することの大変さが明らかになった。専門家からヒアリングして知識を取り出さないといけないのも大変なコストだった。

第3次AIブーム

そして第三次AIブームへ。第二次AIブームは「知識」をたくさん入れればそれらしく振る舞うことができたが、基本的に入力した知識以外のことはできなかった。さらに例外が増えれば増えれるほど、いつでも書き終わることはなかった。

この閉塞感の中、着々と力を伸ばしてきたのが機械学習。ウェブ上のデータが増加し、ウェブページのテキストを扱える自然言語処理と機械学習の研究が大きく発展した。その結果、統計的自然言語処理と呼ばれる領域が急速に発展していった。

機械学習とは、人工知能のプログラム自身が学習する仕組み。そもそも学習とは何か。学習とは「分ける」という処理であり、ある事象について正しく分けることができれば、物事を理解していると言える。

機械学習の種類

機械学習は「教師あり学習」と「教師なし学習」に分けられる。

「教師あり学習」は、「入力」と「正しい出力(分け方)」がセットになった訓練データをあらかじめ用意し、ある入力が与えられたときに、正しい出力ができるようにコンピュータに学習させる。

「教師なし学習」は、入力用のデータのみを与え、データの中にある一定のパターンやルールを抽出することが目的となる。分け方もいろんな方法があり、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークなど、様々な分け方がある。

機械学習の弱点

機械学習も弱点がある。機械学習は分けるために「特徴量」を必要とする。特徴量は機械学習の入力に使う変数で、その値を何にするかによって、予測精度が変化する。

例えば、年収を予測するときに、特徴量としては、性別、住む場所、など様々な要素を入れられる。この特徴量においてなるべく関係のある特徴量を選ばなくてはならない。例えば年収の予測で、「誕生日」や「身長」といった特徴量はあまり関係しないかもしれない。

このどんな特徴量を入れるかというところでは、結局は人間の頭を使うしかなかった。

ディープラーニングの登場

そこでディープラーニングが登場した。ディープラーニングは、データをもとに、コンピュータが自ら特徴量を作り出す。人間が特徴量を設計するのではなく、コンピュータが自ら、よりベターな特徴量を作り出すことを可能とした。

人工知能は人間を超えるか

人工知能は人間と同じような概念・思考を持つようになるか?

人工知能が発展すると人間と同じような概念・思考を持ち、人間と同じような欲望を持つと思われがちではそうではない。

ディープラーニングは、コンピュータが自ら特徴量を獲得するため、コンピュータが作った「概念」は、実は人間の持っている「概念」と違うケースがある。

そもそもマシンが人間には感じられないもの(赤外線や、小さすぎる物体や人間には聞こえない高音や低音、犬にしか嗅ぎ分けられない匂い)まで取り込んだとしたら、そこから出てくる概念は、人間の知らない概念になるはず。

人工知能は本能を持たない

人工知能では人間と同じ本能を得ることは難しい。人間は、生物だから基本的に生存に有利な行動は「快」と感じるし、生存の確率を低くする行動は「不快」と感じる。こうした本能と直結するような概念をコンピュータが獲得することは難しい。
 

シンギュラリティは本当に起こるか

シンギュラリティとは、人工知能が自分の能力を超える人工知能を自ら生み出せるようになる時点をさす。さらに賢いものを自分自身で作れるようになればそれを無限に繰り返し、圧倒的な知能が誕生するというシナリオだ。

このシンギュラリティを超えると、人間には到底理解できないレベルに達する可能性がある。こうなったときは人工知能は最大のリスクとなってしまうのか、シンギュラリティの先は誰もわからない。

合わせて読んだら面白そう:

シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するときレイ・カーツワイル (著)

上記にあったとおり、シンギュラリティは人類にとってリスクとして考えられている。映画のマトリックスのような、人工知能が人間を支配するような世界が本当にやってくるのか。機械と共存する方法があるのか。人工知能の未来について考えられる良い一冊になりそう。

テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか? ケヴィン・ケリー (著)

そもそも人工知能を含む、テクノロジーとは一体なんなのか?そしてそのテクノロジーはどこへ向かうのか?人工知能を未来を考え、テクノロジーの進化の流れを読む良い示唆を与えてくれるかもしれない。

オリジン・ストーリー デイヴィッド・クリスチャン (著)

こちらは歴史の全体像。ビッグバンから現在までの全ての歴史を物語ってくれる。そもそも知能はどこからきたのか?知能とは何なのか?といったことを考えさせてくれる。

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