- 環境保護と経済発展の両立って可能なの?
- 環境に優しい社会を作るにはどうすれば良いの?
現代において、上記の問題の答えを探すのは容易ではない。
環境問題には色々な要因が積み重なっており、今分かっている原因もあれば、まだ分かっていない要因も沢山あることだろう。
なぜ今のような状況が作られたのか、環境と文明の関わり方の歴史を追っていくことで、見えてくるものがあるかもしれない。
色々本をあさって見ると、木材、土、生態系、化学物質、エネルギーなど、様々な観点から自然界と文明の関わりの歴史が分かる本を見つけた。
環境保護と経済発展の両立に良い洞察を与えてくれそうな本をリスト化して見た。
以下7点ををあげた。
- 木材と文明
- 日本人はどのように森をつくってきたのか
- 日本人はどのように自然と関わってきたのか
- 土の文明史
- 木々は歌う-植物・微生物・人の関係性で解く森の生態学
- 沈黙の春
- エネルギーの人類史
木材と文明
ヨーロッパは文明の基礎になる「木材」を利用するために、どのように森林、河川、農地、都市を管理してきたのか。王権、教会、製鉄、製塩、製材、造船、狩猟文化、都市建設から木材運搬のための河川管理まで、錯綜するヨーロッパ文明の発展を「木材」を軸に膨大な資料をもとに描き出す
木材と文明
ヨアヒム・ラートカウの著作。
素材としてだけでなく、重要なエネルギー源にもなっていた木材。
文明発展に重要な役割を果たしてきた木々と人々はどのように関わってきたのだろうか?
日本人はどのように森をつくってきたのか
林業の歴史に興味を持つアメリカ人の歴史家、コンラッド・タットマンの日本の環境についての著作。
強い人口圧力と膨大な木材需要にも関わらず、日本に豊かな森林が残ったのはなぜか。
日本人・日本社会と森との1200年におよぶ関係を書いている。
日本人はどのように自然と関わってきたのか
こちらも上記の「日本人はどのように森をつくってきたのか」の著者と同じ、コンラッド・タットマン著作。
日本人は、生物学、気候、地理、地質学などのさまざまな要因の中で、どのように自然を利用してきたのかを書いている。
土の文明史
文明の興亡の関係性を、土の目線から書いた、デイビッド・モントゴメリーの著作。
- 農業社会がもたらした人口の爆発的な増加
- ローマ社会が土壌侵食を加速させてしまった理由
- 1000年かかったローマ帝国崩壊からの回復
- ヨーロッパ農業システムの臨界、黒死病
こういった見出し(Amazonの紹介より)からは、過去の文明と土はどのように関わったかを学べそうだし、
- バイオテクノロジーの可能性
- 地球はどれだけ人を養えるか
- 食糧生産の増加は可能か
など、土とテクノロジー、人類の未来を絡めて何かヒントを得ることができそうだ。
木々は歌う-植物・微生物・人の関係性で解く森の生態学
1本の樹から微生物、鳥、ケモノ、森、人の暮らしへ、歴史・政治・経済・環境・生態学・進化すべてが相互に関連している。失われつつある自然界の複雑で創造的な生命のネットワークを、時空を超えて、緻密で科学的な観察で描き出す。
木々は歌う-植物・微生物・人の関係性で解く森の生態学
デヴィッド・ジョージ・ハスケルの著作。
色々な分野を跨いで、様々な観点から自然と人の暮らしのつながりを学ぶことができそう。
沈黙の春
1962年に出版されたレイチェル・カーソンの著書。
当時あまり知られていなかった、DDTなどの農薬の残留性や生態系の影響を明らかにし、ベストセラーとなった本。
この本をきっかけに、世界的なDDT禁止運動に発展するまでになる。
人間と環境の関わりに関して世界中の人の認識を変えた本として、重要な役割を果たしている。
DDT禁止後も、新しい化学物質を生み出して利用している現代において、化学物質とどのような付き合い方をすべきか、過去から学ぶことができそう。
DDTや食品添加物、プラスチックなどの化学物質は、環境問題の中でも大きなポイントの一つだ。
環境問題について興味を持ったときに、入り口として入りやすい8つのポイント
環境問題にはどんな種類があるの?環境問題と一言でいっても範囲が広すぎていまいちよく分からない... 環境問題ほど色々な要因が絡み合っている複雑な問題はない。 複雑な問題は少しでも分解して体系立てて見えるとより分かりやすくなる。
エネルギーの人類史
人間は生きるためにエネルギーが必要で、食べ物からエネルギーを得るのはもちろん、いかにしてこの自然界からエネルギーを変換して熱や光や運動として利用するかという点を考えて生きてきた。
生存に必要なエネルギーが確保された後も、文明の発展のために、エネルギー転換のイノベーションは続いていく。
どのような経緯を経て現代のような状況になったのか、どのようなエネルギー転換の方法を用意することで自然を保護しつつ、文明も発展し続けられるのか、良い洞察を沢山得れそう。
エネルギーも、環境問題を考える上での大きなポイントの一つだ。
環境問題について興味を持ったときに、入り口として入りやすい8つのポイント
環境問題にはどんな種類があるの?環境問題と一言でいっても範囲が広すぎていまいちよく分からない... 環境問題ほど色々な要因が絡み合っている複雑な問題はない。 複雑な問題は少しでも分解して体系立てて見えるとより分かりやすくなる。
まとめ
以上7点をあげた。
- 木材と文明
- 日本人はどのように森をつくってきたのか
- 日本人はどのように自然と関わってきたのか
- 土の文明史
- 木々は歌う-植物・微生物・人の関係性で解く森の生態学
- 沈黙の春
- エネルギーの人類史
今回の環境問題を含め、環境の全体像に関して、下記の記事にまとめた。
環境問題や環境保護について書いた記事6選まとめ
環境について全体感が分かるよう今まで書いた記事をまとめてみました。