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日本が行っている地球温暖化対策

2020-05-12

  • 日本ではどのような地球温暖化対策を行っているの?

日本では、地球温暖化対策として、「地球温暖化対策計画」を策定している。

地球温暖化対策計画とは、政府が地球温暖化対策法に基づいて策定する、日本唯一の地球温暖化に関する総合計画だ。(1)

この計画では中期的な目標と長期的な目標が設定され、その目標の達成のため、部門毎に分けて対策を打ち出している。

地球温暖化対策計画の概要はこちらから見える。

地球温暖化対策計画の内容を元に、日本が行っている地球温暖化の対策を見ていく。

世界ではどのような動きがあるの?

Photo by Markus Spiske on Unsplash

日本が打ち出している目標は、温室効果ガス排出削減の国際的な取組に合わせて決められている。

地球温暖化対策の国際的な枠組みとして、2016年に発行した「パリ協定」。

このパリ協定では、参加国自らが自国の事情を照らし合わせて、目標を設定することになった。

各国目標を設定し、一定期間に合わせて、レビューを受けるような仕組みになっている。

世界の取り組みについては詳しくはこちらに書いた。

計画で打ち出している二つの目標

環境省「第3節 パリ協定を踏まえた我が国の地球温暖化対策」より

では、日本政府が作成した地球温暖化対策に関する総合計画にはどのような計画が書かれているのか?

中期的な目標

中期的な目標として、温室効果ガスの2030年度の削減目標を2013年度比で26.0%減としている。

長期的な目標

2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すとしている。

また長期的な目標達成のためには従来のやり方では難しいため、抜本的な排出削減を可能とするイノベーションを生み出すことや、地球温暖化対策を経済成長と両立させることも長期的な目標に含まれている。

ではこういった目標を達成するために部門毎にどのような対策がたてられているだろうか?

部門毎の対策

JCCCA: 日本の部門別二酸化炭素排出量の推移(1990-2018年度)

地球温暖化対策計画では、部門毎に分けて、必要な取り組みを進めている。

部門は主に下記のように分けられる:

  1. 産業部門
  2. 業務その他部門
  3. 家庭部門
  4. 運輸部門
  5. エネルギー転換部門

産業部門

産業部門とは、最終エネルギー消費のうち、第一次産業及び第二次産業に属する法人ないし個人の産業活動により、工場・事業所内で消費されたエネルギーを表現する部門

JACCA

上グラフを見ても分かるように、一番多く温室効果ガスを排出している産業部門。

脱炭素社会実行のために、省エネ効果の高い設備投資や、エネルギー管理などが進められている。

業務その他部門

民生部門については、家計が住宅内で消費したエネルギー消費と第三次産業(水道・廃棄物・通信・商業・金融・不動産・サービス業・公務など)に属する企業・個人が、事業所の内部で消費したエネルギー消費などを表現している。

JACCA

こちらも建築物の省エネ対策や、LEDなどの高効率の照明のストックを2030年までに100%にするなどの取組が進められている。

家庭部門

家庭部門とは、最終エネルギー消費のうち、家計が住宅内で消費したエネルギー消費を表現する部門をいう

JACCA

目標を達成するためには、企業だけでなく、国民一人ひとりの意識やライフスタイルをも変える必要がある。

環境省では、2030年度に温室効果ガスの排出を2013年度比で26%削減する目標を目指し、COOL CHOICEという国民運動を推奨している。

COOL CHOICEとは:https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/

具体的にどんな取組ができるか?

下記のように様々なことが考えられる。

  • クールビズ
  • エコカーのチョイス
  • 家の断熱素材の選択
  • 省エネ
  • カーシェアリングなどの低炭素サービスの選択
  • ワークスタイルの転換

運輸部門

運輸部門とは、最終エネルギー消費のうち、企業・家計が住宅・工場・事業所の外部で人・物の輸送・運搬に消費したエネルギーを表現する部門をいう。

JACCA

運輸のためには自動車など、輸送機の利用は欠かせない。

この部門では、次世代自動車(EV,FCV等)の新車販売に占める割合を5割~7割にすることを目標にしている。

また、交通流対策の推進、エコドライブ、公共交通機関の利用促進、低炭素物流の推進なども取り組まれている。

エネルギー転換部門

エネルギー転換部門とは、一次エネルギー国内供給部門から国内に供給された各エネルギー源について、元のエネルギー源と異なるエネルギー源を製造・生成するために、燃焼・乾留・分解などの化学変化や熱交換・分離・混合などの物理変化のために用いられたエネルギー源の量(投入量)、生成したエネルギー源の量(産出量)及び損失したエネルギー源の量などこれに関連する量を表現する部門をいう。

JACCA

現状、エネルギーは火力発電が主に使われている。

しかし火力発電は二酸化炭素の排出量が多いため、これからは再生可能エネルギーを最大限取り入れることが求められる。

原子力発電も、国内では厳しい声が飛ぶものの、温室効果ガスを抑えるエネルギー発電としては有効な手段だ。

安全性が十分に確認された原子力発電の活用も求められる。

火力発電を今以上に高効率にする取り組みも進められている。

その他の取り組み

「地球温暖化対策のための税金」として、世界で活用されているカーボンプライジングが、日本でも一部導入されている。

主な炭素税導入国の水準比較

また、地球温暖化対策計画では、環境面の配慮を投資判断として取り入れるESG投資やグリーンボンドの発行を進めている。

再生可能エネルギーの推進のために、固定価格買取制度(FIT)なども進められている。

まとめ

日本では地球温暖化対策計画が策定され、そこで決められた中長期目標の達成のために、部門毎に分かれて対策が打ち出されている。

長期的な目標の達成のためには、国民全員の意識やライフスタイルを変えることはもちろん、従来のやり方を変えて、イノベーションを起こしていく必要性があり、環境対策と経済成長を両立させる方法が求められている。


地球温暖化対策計画はこちらから見れる。

地球温暖化対策計画の概要

また、こちらの本も参照した。

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