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地球温暖化はビジネスにとってメリット? | 環境の本『地球を「売り物」にする人たち』より

2020-05-07

地球温暖化は早く止めるべきか?

多くの人がイエスと答えるだろう。

しかし、気候変動が進んでるという現状においても、それを止めるために努力する足並みは揃わない。

それどころか、地球温暖化を利用して利益を得ようとする動きもあるのだ。

そういった人間の振る舞いをみることで、環境に関して、社会がどう動くのかを考える一つの重要な視点を本書は与えてくれる。

地球温暖化から、利益を得ようとする人たち

本書では、「人類は気候変動を早急に止めそうにない」という前提の元、人間がどのような振る舞いをするか、という視点の本だ。

人類は、目先の利益を求める傾向や、目に見えないものは怖いと感じない情緒的な傾向がある。

そのため、気候変動があったとしても、それを阻止しようとは素直に考えない。

逆に気候変動が起きるからこそできるビジネスチェンスに向けて、準備・投資している企業や人は世界中にいる。

気候変動関連ファンドの投資先には、クリーン&グリーンテクノロジーが多く含まれる反面、地球温暖化が起きた時に儲かりそうな企業の株式も含まれているという。

気候変動によってお金持ちになれると考えている人は事実いるのだ。

下記で、本書に登場する実際のビジネスの例の一部をあげた。

石油と航路

地球温暖化によって北極海の氷はどんどん溶けている。

氷が溶けることで北極の地下に埋まっている石油という資源が手に入り、さらに航路としても利用できるようになる。

世界の石油とガスの未開発資源の約22%は北極圏に眠っていると考えられている。そしてその一部はまだどの国の所有権にも属してないのだ。

氷が溶けることで、利益を得る国は必ず出てくるが、領有権に関しての争いは目に見えている。

氷に阻まれてアクセスできなかった資源

グリーンランドでは、氷が溶けることで、石油、金、レアメタルなど様々な資源がアクセス可能になる。

ここから生まれる資金が、デンマークからの独立資金になっていくのではと推測される。

地球温暖化が、グリーンランドの独立を買うための資金につながっていく。

人工雪

氷雪が溶けることで、大打撃を受ける産業といえば、スキー産業だろう。

人工雪を作るための雪製造装置が大事な存在となってきている。

人工雪製造は今や10億ドル規模(約1060億円)とされている。

淡水化プラント

氷の縮小が起きれば、旱魃がやってくる。

ヒマラヤやロッキー山脈、アルプスの氷河は貯水池としての機能を果たしている。

冬にできた氷河が、夏になると少しずつ解けて、水を供給してくれるのだ。

しかし、氷が縮小してしまえば、その分水の供給も減ってしまう。すると旱魃がおきてしまう。

よって、中国やインド、ペルー、スペイン、その他気温上昇と融解によって旱魃が起こった国では、海水淡水化プラント(海水を飲み水など使える水に変換する施設)の数が増えている。

災害で利を得る保険ビジネス

火災やハリケーンなど、地球温暖化の気候変動によって、確実に災害の数は増えてきている。

本書登場するファンドマネージャによると、ハリケーンなど自然災害がありふれることで、保険会社は自分たちが有利に価格を決定できる力を持つため、保険会社にとっては実は好都合なのだという。

保険会社と提携し、料金を支払う人だけを守る営利の民間消防組織なども登場している。

まとめ

本書から一部を抜粋して紹介した。

人間には目先の利益を求める人間の傾向や、目に見えないものは怖いと感じない情緒的な傾向があるため、気候変動が進んでも純粋に阻止しようとする方向には動かない。

気候変動が進む未来をみて、気候変動後のビジネスの機会を狙う動きも出てきている。

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