アナログとは何か説明する。また、アナログとデジタルの違いについても説明する。
アナログの情報をコンピューターで操作するために必要なセンサやアクチュエータについても解説し、コンピュータがアナログデータを制御するための仕組みを説明する。
アナログとは?
アナログ(英: analog、英語発音: [ˈænəˌlɔːg] アナローグ)は、連続した量(例えば時間)を他の連続した量(例えば角度)で表示すること。
日本版Wikipedia「アナログ」
アナログデータでは、数字と数字の間にある全ての連続量を、別の連続量で表すことができる。
例えば、温度を例にしてみる。
温度を表す時、10℃と11℃の間には10.3℃、10.55℃、10.88888888.....℃といったように様々な温度がある。
この連続した量(この例では温度)を温度計では温度計の液体の高さで表示する。
時計も11時と11時1分の間には、11時0分30秒、11時0分35秒5555......というように連続した量があり、無限の時間は針の角度によって表すことができる。

デジタルとは?
デジタル(英語: digital, 英語発音: [ˈdiʤətl]。ディジタル)とは、整数のような数値によって表現される(飛び飛びの値しかない)ということ。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
逆にデジタルは、連続的でないものという意味になる。
例えばデジタル時計は、数値によって表される。
例えばコンピューターのデータは、ビットとして、0と1の整数のみで表現される。
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アナログとデジタルの違い
時間を例にしてみる。
アナログの場合は連続した量を表しているため、ある瞬間を切り取ったとき「5時34分35秒6767....」のような形で正確な時間を表すことができる。

デジタルの場合、もし分単位で表示される時計を見ていた場合、「5時34分」と「5時35分」は表示させることができるが、「5時34分〇〇秒」を表示させることはできない。
もし秒単位の時計だったとしても、「5時34分35秒」までは表示できるが、「5時34分35秒〇〇〇〇」の部分まで表示はできない。
なのでデジタルは、アナログのように連続的な量を表してるとは言えず、整数によってとびとびに数値を表現していると言える。

アナログの情報をコンピュータで制御する
自然界にある多くの情報はアナログ情報でできている。
例えば温度や圧力や光度などは全てアナログ情報だ。
こうしたアナログ情報をデジタル情報に変換することによって、自然界の情報をコンピューターが受け取り、その情報に基づいて、コンピューターを操作することができる。
自然界の情報をコンピューターで活用するために、必要なのがセンサとアクチュエータになる。

センサとは

センサとは、自然界にあるアナログ情報を電気信号やデータに変換するための装置。
温度計は温度という連続した量を、高さや角度といった別のデータに変換するので、センサの一つと言える。
その他にも、自然界の情報をデータに変えるための様々なセンサがある。
- GPS:位置情報を把握
- ジャイロセンサ:スマホがどの角度で向いているのかを検出
- 加速度センサ:加速度を検出
- イメージセンサ:入ってきた光を電気信号に変換
- 温度センサ:温度を測定
- 光センサ:光の強弱を検知して電気信号に変換
- 圧力センサ:圧力を電気信号に変換
スマホに使われているセンサ
スマホにも様々なセンサが使われており、センサの情報を元にした機能やサービスは多くある。
- GPS:位置情報を把握 (例:GoogleMap、UberやUber eatsなどの配車・出前サービスなど)
- ジャイロセンサー:スマホがどの角度で向いているのかを検出(例:Pokemon GOで、ポケモンとカメラの背景を合成する時など。)
- 加速度センサー:加速度を検出(例:スマホの歩数計機能・スマホのタップ操作など)
A/D変換とD/A変換

AはAnalog、DはDigitalを意味し、センサからコンピュータに移行する際に、ADコンバータを使って、アナログ信号をデジタルデータに変換する。
また、コンピュータからアクチュエータに移行する際は、DAコンバータを使い、デジタルをアナログに変換する。
アクチュエータとは

電気信号を運動に変える部品をアクチュエータという。
スマホに使われているアクチュエータ
アクチュエータによって「触覚フィードバック」と呼ばれる感触を人工的に生み出す技術が作られている。
スマホでアプリやアイコンを長押ししたときに、実際に押しているような感覚は、触覚フィードバックによって生み出されている。
また、ズーム機能で撮影してもブレないようにするために、レンズアクチュエーターなども使われている。
アナログ情報の更なる活用を目指すIoT (Internet of Things)
IoTでは、日常的に使われている家電など「モノ」にセンサーやアクチュエーターを組み込めるようにすることで、新たなデータを収集したり、新しい活用方法ができるようにすることを目指す。
コンピュータの全体像
コンピュータの全体像を知ると、数学とコンピューターサイエンスの結びつき方もより深く理解できる。
こちらにコンピューターサイエンスの全体像についてまとめた。
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