コンピュータのネットワークとは何かを説明する。
ネットワークの構成要素やLAN、WANなどのネットワークの種類を説明する。
また、ネットワークの情報のやり取りの仕組みを、プロトコルを通してみていく。「TCP/IP」を例にして、解説。
ネットワークとは
ITシステムの中では、ネットワークとはコンピュータが相互接続された状態のことを指す。
コンピュータネットワークの構成要素

ネットワークは次の三つで構成される。
- コンピュータ(パソコン、スマホ、サーバーなど)
- ネットワーク機器(ルーター、スイッチ、ハブなど)
- 伝送媒体(有線LAN(LANケーブル)、無線LAN(WIFI)など)
コンピュータ

コンピュータの種類は普段個人が使っているパソコン(パーソナルコンピュータ)やスマホ、またサービスを提供する側のコンピュータ(サーバー)などが挙げられる。
ネットワーク機器

ネットワーク機器は、データを送るための機器であり、「ハブ」「スイッチ」や「ルーター」などがある。
伝送媒体

コンピュータとネットワーク機器を繋げる役割を果たす。
「LANケーブル」や「無線電波(WIFI)」などがあげられる。
ネットワークの種類
ネットワークの種類は、大きく分けて三つある。
- LAN (Local Area Network)
- WAN (Wide Area Network)
- インターネット
LAN (Local Area Network)

LAN (Local Area Network)は、限られたエリアの中で接続されているネットワーク。
会社内のみで繋がれているネットワーク、学校内のみで繋がれているネットワークなど、繋がれている範囲は限定される。
WAN (Wide Area Network)

WAN (Wide Area Network)は、LANとLANを繋げるためのネットワーク。
例えば本社のLANと支社のLANを繋げるというような時に使える。
LANよりは広範囲のネットワークだが、世界中の全員が使えるわけではなく、アクセスできる人は制限される。
例えば会社の例であれば、本社と支社の人は会社のWANにアクセスできるが、その他の人はアクセスできない。
スマホもWANで繋がれている
スマホでよくみるLTEや4G, 3GといったものもWANの種類に入る。
インターネット

インターネットは世界中のコンピュータを接続するネットワーク。
インターネットを利用するために、ISP(インターネットサービスプロバイダ)と契約することで、インターネットに接続することができる。
ネットワーク内のデータやり取りの仕組み
ネットワークでデータのやり取りをするときは、これまで紹介したコンピュータ、ネットワーク機器、伝送媒体を使い、「プロトコル」というルールに従い、データ送受信を行う。
プロトコルとは
プロトコルはデータのやり取りなど、通信するためのルールのこと。
代表的なプロトコルとして、「TCP / IP」がある。
TCP / IPの全体像
TCP / IPは4層に分けられ、データを送る際は「4→3→2→1層」という順番で送られる。
逆に受け取る時は、「1→2→3→4層」という形でデータを受け取る。
層 | TCP/IPモデル | PCでの処理 | 規格(プロトコル) | 主な利用例 |
---|---|---|---|---|
4層 | アプリケーション層 | 通信アプリケーションプログラム | HTTPS / FTP / SMTP / POP / SSH / DNSなど | Webサイト閲覧、メールの送受信、ファイル転送など |
3層 | トランスポート層 | OS | TCP | 信頼性を重視したデータ送受信 |
2層 | インターネット層 | OS | IP | データを指定された場所へ転送 |
1層 | ネットワーク インターフェイス層 | デバイスドライバ / NIC | Ethernet | LAN |
アプリケーション層のプロトコル

HTTPS
HTTPSは「「Hyper Text Transfer Protocol Secure」の略。
ウェブサイトの文字や画像、動画などのデータをサーバーと利用者の端末間でやり取りするときに使われる。
FTP
FTPは「File Transfer Prtocol」の略。
サーバーと利用者の端末間でファイルを送受信するときに使われる。
主にFTPソフトというツールが使われる。
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SMTP/POP
SMTPとPOPはメールの送受信で使われる。
SMTPは「Simple Mail Transfer Protocol」の略で、メールの送信の時のルール。
POPは「Post Office Protocol」の略で、メールの受信の時のルール。
SSH
SSHは「Secure Shell」の略。
ネットワークで接続された機器を安全に遠隔操作するために使われる。
DNS
DNSは 「Domain name system」の略。
DNSはドメイン名をIPアドレスに変換する役割を持つ。
IPアドレスに変換する理由は下記に書いた。
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トランスポート層のプロトコル

トランスポート層のプロトコルにはTCPが挙げられる。
TCPは「Transmission Control Protocol」の略。
データを転送するときに使われる。
TCPは転送速度は遅いが、安全性を保ちながらデータを送るという特徴がある。
具体的な役割としては、インターネットで通信する時は必ずデータの送信が成功するわけではないので、TCPがデータ通信に成功した時、届いたことを知らせる仕組みを持っていたり、データ送信に失敗した場合も再送する仕組みなどがある。
インターネット層のプロトコル

インターネット層のプロトコルの代表例にIP(Internet Protocol)がある。
IPは「IPアドレス」を利用し、データを届けるために使われる。
IPの役割は主にデータを届けるための経路を決めるのに使われるので、TCPのような安全性を確保するための機能はない。
ネットワーク・インターフェース層のプロトコル

EthernetプロトコルはLANに使用されるプロトコル。