地方自治体とは:地方自治体の定義や役割を整理する

地方自治体とは一体何か。地方自治体の定義や役割を整理する。


地方自治体とは

まずは「地方自治体」(地方公共団体とも呼ばれる)に関する定義をいくつか挙げてみる。


一定地域を存立の基礎とし、その区域に住む住民を構成員として、そこにおける事務を住民の自治によって処理する権能を認められた団体をいう。


日本大百科全書(ニッポニカ)

国の領土の一定の地域を基礎とし、その地域内の住民を構成員として行政を行うために、国から与えられた自治権を行使する団体。

weblio辞書

地方公共団体は、国の領土・人等の、全部ではなく一部(行政区画)を支配・統治する日本の行政機関(あるいは行政機関の集まり)である[3]

地方公共団体-wikipediia


そもそも地方自治とは?

ではそもそも地域内で行われる「地方自治」とはにか?Wikipediaでは以下のように定義されている。


地方自治(ちほうじち)は、国の中に存在する地域・地方の運営について、地方の住民の意思に基づき行うことをいう。

地方自治ーwikipedia



地方自治は地域の問題はそれぞれの地域の住民が最もよくわかっており、住民自身で解決していくのが一番良い方法だという考えに基づいている。(1) 地方自治を発展させることで国全体に民主主義の考え方を浸透させる狙いで、日本国憲法の第八章で地方自治に関する規定を定められ、1947年には憲法に基づいて地方自治法が制定され、地方自治を行うための組織や運営についてが具体的に定められることになる。(1)



地方自治体の仕組み

地方自治体には「都道府県」と「市町村」があり、それぞれの地方自治体には長である首長(市町村なら市長・町長・村長、県なら知事)と、政策を決定する機関である「地方議会」が置かれている。(1)

  • 住民:選挙で首長や地方議員を選ぶ
  • 執行機関:議会で決められた条例や予算に基づいて、政策・事業を実際に進める
  • 議決機関:条例の制定、改正、廃止、予算の決定など



総務省では、地方自治制度の概要の中で一般的な市町村の組織図として、以下のように示している。


出典:地方自治制度の概要「第二編 普通地方公共団体」の「市町村の一般的な組織図」より


執行機関の役割とは


選挙で選ばれる首長や、市役所や町役場、村役場と呼ばれる首長や議会の政策に従って実際に地域の住民のための仕事を行う場所は、執行機関にあたる。


議決機関の役割


議決機関は条例を制定したり、予算を決めたりする。地方議会の選挙も、住民によって直接選ばれる。


具体的にどんな仕事をしているのか

地方自治体の仕事の内容は多岐にわたる。定住・移住促進や街づくり関連もあれば、高齢者福祉・子育て支援もあれば、予算の運用、防災、観光、建設、などなど市民の生活を良くするための仕事をするために様々な部門に分かれる。



この記事を書いている時点で私は新潟県十日町市に在住しているため、ここでは十日町市行政組織規則(平成22年3月31日 規則第11号)で書かれている部の組織図を例にして下記にまとめる。


十日町市行政組織規則 第3条の表より


地方自治体の中でどのようにお金が回っているのか

地方公共団体で使われるお金(令和2年であれば地方財政の歳入130兆472億円)は収集した税金の全体の約60%が国の税金、約40%が地方税であり、一旦国に入った税金の一部が地方交付税や国庫支出金として、自治体に渡される。


令和四年版地方財政白書「3 地方財源の状況」より


自治体財政の仕組み:財源などお金の流れや予算について解説

地方自治体で使われているお金の流れはどのようになっているのだろうか。

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市民の税金だけで地方自治を行える所は少ない。令和4年度の国の歳出(国の支出)を見てみると、国の歳出のうち14.8%は地方交付税交付金として地方のためにお金を使っていることがわかる。



令和2年度の十日町市の財政を例に出してみると、十日町市の歳入(市の収入)の52%が普通交付税・国庫支出金として入ってきていることがわかる。


「令和2年度 十日町市の普通会計決算(決算統計)の状況」を元に作成


国の予算:国はどこからお金を集めて何に使っているのか

国の予算はどこからどのくらいの金額が来て、集まったお金は何に使われるのだろうか。

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注:
(1)池上.2019
参照:
池上彰 (2019). 政治のことよくわからないまま社会人になった人へ【第4版】海竜社

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