国の予算はどこからどのくらいの金額が来て、集まったお金は何に使われるのだろうか。
国の歳入 国はどこからお金を集めているのか
国の歳入(政府や地方自治体の収入のこと)はどこからきているのだろううか。令和4年度の歳入を見てみると、歳入総額は107兆5964億円ある。国の歳入は大きく分けて三つある。
- 租税及び印紙収入
- 公債金
- その他収入
租税及び印紙収入
国の大きな収入源の一つとして「租税及び印紙収入」があり、令和四年度の歳入では65兆円3820億円(全体の60.6%)になる。租税とはいわゆるいつも買い物で払う消費税、給料から天引きされる所得税など、私たちも日頃払っている税金のこと。ここでは令和四年度当初予算の内訳を例に見ていく。内訳を見ると、所得税、消費税、法人税が多くを占める。
所得税
個人の所得にかかる税金。
法人税
法人(会社)の所得に対してかかる税金。
消費税
商品の販売やサービスを提供する時などの取引に対してかかる税。
相続税
財産を相続した人に対してかかる税金。
揮発油税
ガソリンにかかる税金。
酒税
お酒にかかる税金。
タバコ税
タバコにかかる税金。
その他の税
上記で書いた税以外にも、国民に対して様々な税金を課している。以下に租税の全体像を表した。
印紙収入
例外的に、現金ではなく収入印紙を一定の書類で貼り付けて収納する税を印紙収入といい、これも国の歳入となる。日本大百科全書(ニッポニカ)「印紙収入」の解説の中で例としては以下のようなものを挙げている:
- 政府に対する各種許可申請の際の手数料
- 罰金
- 訴訟費用
- 不動産登記における登録免許税の支払い
- 各種国家試験(司法試験、司法書士試験、土地家屋調査士試験、公認会計士試験、税理士試験等)の受験手数料の支払い
など
公債金
公債金とは国の借金のことで、国も国民から集めた税収だけでは足らないので不足を補うために、債券を発行してお金を借りている。令和四年度の歳入では36兆円9260億円(全体の34.3%)になる。
国の歳出 集めたお金を何に使っているのか?
集まったお金はどこに使われているのだろうか。令和4年度の歳出を見てみると、歳入総額で集めた107兆5964億円は大きく分かれると三つの分野で使われている。
- 一般歳出
- 地方交付税交付金等
- 国債費
一般歳出
一般支出は、国の政策を進めていく上で必要な支出になる。
社会保障関係費とは
社会保障とは、医療、年金、福祉、介護、生活保護など、必要な生活保障を行う。
公共事業関係費とは
公共事業関係費は、道路、住宅、下水道、公園、河川の堤防やダムなど、国民の生活の基盤となる施設の整備に使われる。
文教及び科学振興費とは
文教及び科学振興費は、教育や科学技術の発展のために使われる。
防衛関係費とは
自衛隊など軍事関係に使われる。
経済協力費とは
発展途上国の支援を目的として使われる。
地方交付税交付金等とは
国が集める「国税」だけでなく、地方公共団体(都道府県や市区町村)も、教育・警察・消防・環境衛生・生活保護などの公的サービスを行うために「地方税」を集めている。しかし地域ごとに財政力に違いが出てくるため、公的サービスに差が出てこないように国が地方公共団体の財政力を調整するために支出するのが、「地方交付税交付金等」になる。この記事を書いている時点で、十日町市に住民票があるため、十日町市の例をだす。令和2年度の普通会計決算を見ると普通交付税が27%、国庫支出金が25%を占めている。
自治体財政に関してはこちらに書いた。
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自治体財政の仕組み:財源などお金の流れや予算について解説
地方自治体で使われているお金の流れはどのようになっているのだろうか。
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