ストレスの役割とは? | 「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」本のまとめ

ストレスの仕組みは?ストレスってそもそもなんで感じるの?ストレスとどう向き合えば良いの?

上記の疑問がよくわかる本。

ストレスの仕組みや、ストレスがなぜあるのかを知ることで、ストレスで毎日辛い...という人も向き合い方が変わるかもしれない。


ストレスはなぜ起きるのか

ストレスはなぜ起きるのか。本書でのストレスの考え方はこうだ。

ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされた時に生じるものである

スタンフォードのストレスを力に変える教科書

自分にとって大事な価値観が脅かされた時にストレスは起きる。

ストレスの大事な側面として、ストレスと意義は密接な関係があるという。

すなわち、有意義な人生を送るためには、ある程度のストレスは必要なのだという。


ストレスは、思い込みによって変わる

ストレスは、その人がストレスをプラスに考えるか、マイナスに考えるかによって、ストレスホルモンの分泌も実際に変わるという。

ストレスを感じた時、どんな気分を感じるか、ストレスの多い状況でどう対応するかも、自分自身のストレスの考え方によって変わる。

実際にアンケートで、「ストレスは良い効果がある」と信じてる人たちは、「ストレスは害になる」と思っている人たちに比べ、人生の満足度が高い傾向にあるという。


ストレスに対しての考え方を変えるには

ストレスの考え方の根本になるのが、「マインドセット」だ。

このマインドセット次第で、ストレスの捉え方が変わってくる。

ではそのマインドセットを変えていくにはどうするか?

まずはストレスを感じたと思ったら、それを認識すること。普段ストレスに対してどの様に反応しているか、自分の思考の流れを気づくこと。

そしてその反応がどの様に自分の生活に影響しているかに注目することが大切だ。

ストレスをポジティブに考えるためには、上の定義にもあった通り、自分にとって大事なものの何が脅かされているのか?なぜそれが自分にとって大切なのかを把握することだ。


ストレス反応を味方につける

ストレスを感じると実際に身体はどう変化するのか

太古の昔より、動物は危険な動物などから逃げたり戦闘態勢に入るため、「闘争・逃走反応」を持っている。

この「闘争・逃走反応」が起きると、アドレナリンが分泌され、交感神経が活性化する。

また、心拍数が上がったり、呼吸が早くなったり、筋肉が緊張したりして、瞬時に行動を起こせる様に、身体が対応する。

また、消化器官などの緊急時には重要でない身体機能は、低下したり停止したりする。

ストレスによって、身体だけでなく、脳も活性化する。瞳孔が大きく開き、聴覚が鋭くなり、脳は急速に情報を処理する様になる。


ストレス反応は「闘争・逃走反応」の1種類しかないのか?

実際にはストレスはもっと多様な反応があることを知っておく必要があるという。

「闘争・逃走反応」は大昔の祖先には危険を避けるために役立っても、戦うか、逃げるか2択の反応では現代では役に立たない。

ストレス反応は単なるサバイバル本能一種類なのではなく、数種類ある。

そしてストレスは、人間らしく振る舞い、周囲と関わるための助けになるのだと理解することが大事だという。


ストレスは人にチャレンジ精神を起こさせる

「闘争・逃走反応」と似ていて、アドレナリンが急増し、筋肉と脳にエネルギーがどんどん送り込まれるが、「闘争・逃走反応」と違い、恐怖を感じないという。

いわゆる「フロー」状態が起きる。


ストレスは人を利他的にし、社会的つながりを強化する

ストレス反応が起きると、オキシトシンが分泌されるため、人とのつながりを求める気持ちが強くなる。

周りの人の考えていることや感情に気づき、理解する力が強まるという。

また、ドーパミンも分泌される。なのでやる気が強まる一方で恐怖が弱まる。

進化論的にみれば、これはなによりも他者をいたわる行動を起こすことで、確実に子孫を守るため。


ストレスは学習能力を助ける - 逆境から学ぶ -

ストレスによって分泌されるコルチゾールとオキシトシンは自律神経のバランスを整える。

DHEAと神経成長因子は、脳がストレスの経験から学ぶのを助けるという。

逆境も同じで、逆境は自分を強くするというマインドセットを持っていれば、苦しみの中から意味や価値観を得ることができる。

苦しみ自体には価値がないが、苦しみを全て避けて生きることは不可能。価値観を見出す姿勢でいることで、ストレスを受け入れ、力に変えることができる。


ストレスの欠如は人を不幸にする

ストレスを避けることで、逆に人は不幸になると本書では言う。

まず、ストレスと意義はつながっているという点で、ストレスがなければ、成長するきっかけも、誇りに思っているチャレンジ、今まで影響を受けた人間関係も全て消えてしまう。

また、ストレスを避けようとすると、つながりや帰属意識が薄れ、孤独になる危険性もあるという。


まとめ

ストレスは、なぜ起きるのか。それは自分の大事な価値観が脅かされているからこそ起きる。

ストレスは悪いものなのか?イエスでもあり、ノーでもある。

ストレスに向き合う態度によって、ストレスは良いものにも、悪いものにもなる。

ストレスで毎日辛い...と思えばそれは辛いものに変わる。

しかし、ストレスを受け入れ、なぜ自分はストレスを感じているのかを考え、今のストレス反応は必ずポジティブな方向に使えると信じれば、ストレスは人々にとって素晴らしいものになる。

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