冬の清津峡エリアでの雪板セッション:雪板から始まる木、地形、アートへの旅

自分で好きな形を作ることができ、気軽にどこでも滑れる魅力を持つ雪板。今回は大地の芸術祭のアートでも有名な清津峡渓谷トンネル周辺のエリアで行われた雪板モニターツアーに参加した。

自分で好きな形を作ることができ、気軽にどこでも滑れる魅力を持つ雪板。今回は大地の芸術祭のアートでも有名な清津峡渓谷トンネル周辺のエリアで行われた雪板モニターツアーに参加した。清津峡エリアでの雪板セッションから始まる木、地形、アートへの旅。


ワークショップと雪板セッション

今回このモニターツアーを主催して下さったのは清津峡渓谷トンネルに向かう途中の萬年橋という小さな赤い橋の手前にあるカフェ「清津百貨 KIYOTSU CAFÉ」。内容は二日に分かれ、1日目は雪板作りのワークショップが行われ、2日目は清津峡周辺エリアで、面白そうな地形を探索しながら、雪板を楽しむという内容だ。


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ワークショップは新潟県長岡市のおぐに森林公園で、雪板制作のワークショップを行なっている「8BLANKS」の協力の元行われた。ワークショップ会場では8BLANKS制作の様々なデザインの雪板が並び、参加者は形やデザインなど様々なインスピレーションを受けながら作成を行なえるようになっていた。


8BLANKS作の様々なデザインの雪板が並ぶ。場所は清津百貨 KIYOTSU CAFÉで行われた。/ Photo : Jさん


8BLANKSによる雪板ワークショップ / Photo : Jさん


雪板の原型となる曲がった一枚の板 / Photo : Jさん


ワークショップの様子 / Photo : Jさん


古民家と暖炉、囲炉裏のある心地よい空間

1日目のワークショップが終了すると、食事のため、これから宿泊施設としてオープン予定の古民家「谷ハウス」へ向かった。今回のツアーの舞台である新潟県十日町市は里山暮らしの文化が残り古民家も残っているエリアであり、この谷ハウスもその古民家の一つだ。大きな梁や囲炉裏を始めアンティークの家具が残りつつ、随所にリノベーションのこだわりも見られた。今回のツアーでは、佐渡から来た旅人グループとの素敵な出会いもあり、良い空間の中食事や会話を楽しむことができた。


谷ハウスの様子。囲炉裏を囲んで食事をとる。


谷ハウスの様子。古民家の良さを残しつつ、随所にリノベーションのこだわりが見られる


谷ハウスの様子。古民家の良さを残しつつ、随所にリノベーションのこだわりが見られる


アートとの出会い・地形探索

翌日、雪板セッションのために清津峡近くの「西方」エリアへ向かう。

途中、西方エリアの山の上にある「アトリエ&ギャラリー 設亮庵」にお邪魔させていただいた。兵庫県でアート制作の活動をされていた河中さんがギャラリーを運営しており、中には素晴らしいアート作品が数多く展示されていた。「我空」という名前で活動されている。移住を考えていたところ、コワーキングスペース「十日町asto」の方が移住のお手伝いをしているという情報をInstagramでキャッチし、現在の場所に辿り着いたという。酒粕で作られた甘酒もご馳走してくれ、手厚いもてなしをしてくれた。



西方エリアの山の上にある「アトリエ&ギャラリー 設亮庵


吹き抜けの屋根がかっこいい古民家。二階にはアートスペースがあり、音質の良いジャズが流れる。


心地よい空間での団欒 / Photo : あみさん


中から直接フィールドにアクセスできる。


中でゆっくり作品を見させてもらった後は地形探索へ。棚田をどんどん登っていく。緩い地形から急なラインまで色々試しながら、楽しいセッションを行うことができた。






「清津百貨 KIYOTSU CAFÉ」によるワークショップ&セッション振り返りムービーがこちら。



木の恵み、地形、アート

このモニターツアーで改めて自然や木の美しさを認識し、自分の価値観の探究もできた体験だった。ワークショップで実際に木に触れ、古民家という心地よい空間で木の温もりを感じ、様々な会話が生まれていく。誰も踏み入れていない真っ白な世界で自分達が楽しめる地形を探究していく。アートに触れ、クラフトの世界を覗き、自分自身も雪板作りという物作りの世界を体験しながら、自分だけの理想の形の雪板を追求していく。

雪板作りも一種のアートなのかもしれない。8BLANKSの引馬さんとの話で印象的だったのは、自分だけに合った雪板作りを探求できるのが面白いところだということだ。万人に受ける滑りやすいものを作るという考え方もある一方で、自分だけのベストな雪板を追求しながら試行錯誤していくのも雪板の面白いところであり、自分がベストだと思う板に他の人が乗って同じくベストだと感じる必要はないという姿勢に感銘を受けた。自分が気持ちいい感覚で乗れる板の形はなんなのか、どんな地形でどんな滑りをするのか、オリジナルの滑りをツール作りから表現していくという意味で、まさしく雪板作りはアートに違いない。

雪板を通じて、自分自身の価値観と向き合い、自然と向き合う良い時間だった。今回はお試しのツアーとのことだったが、ぜひ「清津百貨 KIYOTSU CAFÉ」&「谷ハウス」でこのツアーがちゃんと形になり、多くの人にこの素晴らしい体験が届けば良いなと思う。

「清津百貨 KIYOTSU CAFÉ」のみなさん、「8blanks」さん、「アトリエ&ギャラリー 設亮庵」さん、お世話になりました。


Instagram:
清津百貨 KIYOTSU CAFÉ : @kiyotsucafe
谷ハウス : @house_taniproject
8BLANKS : @8blanks
アトリエ&ギャラリー 設亮庵 : @tumaarigakuu


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