学校の授業を、純粋に楽しく受けることができた人はどのくらいいるのだろうか。
純粋に好奇心を持って勉強している人もいれば、進学、受験合格をモチベーションに勉強を頑張っている人もいる。
もし自分の好奇心を広げ、あらゆる分野の学習が面白いと思えるようになり、社会に出ても学ぶことを楽しく感じられるようになれたら?
ビッグヒストリーは好奇心を広げ、大人になっても一生涯学習を面白くする手助けになるかもしれない。
そもそもなぜ勉強はつまらないと思ってしまうのか?
社会に出てから勉強する場合、資格、英語など、勉強の内容を何に使うのか把握し、目的を理解しているのでモチベーションを維持できることも多い。
だが、学校での勉強では状況も異なる。
3点主な理由をあげてみる。
学んでいる知識がどのように社会に使われているのか分からない
物理、化学、数学など色々な科目が出てくるが、これらの知識が実際社会でどのように使われているのかは、学ぶことは難しい。
知識と実社会で起こっていることの繋がりが分からないと、どうしても面白みに欠けてしまう。
ストーリーがない
漫画やゲーム、小説を面白いと思うのはやはりストーリーを楽しんだり、伏線を回収したりすることだと思う。
しかし学校の勉強では、事実の羅列になってしまう部分がある。
なぜその出来事が起こったのかとか、なぜそのツール・考え方・方式を生み出したのかとか、そういったストーリーがないので面白みに欠けてしまう。
歴史はストーリーだし、化学の周期表や数学の公式も全て作成されるまでのストーリーがあるが、そこまで深掘りすることは稀だ。
科目別で学ぶため、科目通しの繋がりに気づきにくい
小学校では、国語、算数、理科、社会、英語という風に科目別に学び、中学、高校、大学と進む毎に、科目は細分化されていく。
算数では算数のことだけ学ぶし、理科の時間では理科のことのみ集中して学習する。
しかし世の中の出来事は、様々な知識が繋がり合うことでより深くストーリーを理解できることが多い。
ビッグヒストリーとは?
ビッグヒストリーは宇宙の始まりから星や惑星、地球、生命、人類の誕生、そして宇宙の終わりまでの歴史や未来をよりよく理解するための枠組みだ。
ビッグヒストリーで学習がどう面白くなるのか
ビッグヒストリーは好奇心を広げるのに最適だ。その理由を二つあげる。
全ての物事を一つの枠組みで考えられる
By connecting different areas of knowledge into one unified story, big history provides a framework for learning about anything and everything.
Big History Project is getting bigger
マイクロソフトの共同創業者であり、慈善活動家でもあるビル・ゲイツは、上記の動画やブログで、ビッグヒストリーによって、今まで断片的に知っていた出来事を一つの枠組みで考えることができると述べる。
宇宙、環境、経済、生物、物理、音楽やカルチャー、テクノロジー、食、デザインなど、色々なことを断片的には知っていても、それを一つの枠組みで捉えることは難しい。
しかしビッグヒストリーという枠組みを用意することで、どのようなコンセプトにおいても枠組みの一部として考えることができる。
例えばフランスワインが好きなのであれば、ワインの歴史、なぜその歴史ができたのか?その歴史ができた国の背景は?その国の歴史は?そもそもどのように人がフランスに移ってきたのか?人類はそもそもどうやって誕生したのか?そもそも生命はどうやって誕生したのか?
という風に遡ることができる。
ビッグヒストリーは全ての出来事・知識をビッグヒストリーの一部として当てはめ、一つの大きな全体像として考えさせてくれる。
科目の垣根を取り払う
ビッグヒストリーは、科目の垣根を取り払って何かを学ぶ手助けにもなる。
例えばフランスワインの例に戻ると、ワインには土の質がよく関係するから土壌学の知識が関係する。
するとそれに関連して林学、化学など、色々な知識も紐づけて考えることができる。
全学問のうち、どの分野がワインによく関連していて、どの分野がこれから関連しそうな分野なのか、全体像も把握・予想することができる。
〇〇学と〇〇学がどのように関係してくるかなどの関連性が、さらに歴史のストーリーを深掘りさせてくれる。
ビッグヒストリーで読書もより効果的に
ビル・ゲイツは読書家としても知られる。別の動画でどのように読書の内容を覚えているのかのインタビュー動画があったが、ここでもフレームワークの重要性を語っていた。
自分の読んだ内容が、その分野の全体像のどこに当てはまるのかを知ることが重要なようだ。
この内容を考えても、ビッグヒストリーというとても大きな枠組み・全体像を知っておくことで、本の内容を覚えることが容易になるのかもしれない。