スキービンディングの開放値とは?|フリーライド、フリースキーを安全に楽しむために

スキービンディングの開放値はスキーの上達に関わるだけでなく、怪我にも関わる重要な部分だ。

スキーを安全に楽しみ、適切にツールを使いこなせるように、内容をまとめた。


開放値とは?

ビンディングの外れやすさのこと。

ビンディング開放値が小さければスキー板が外れやすくなるし、ビンディング開放値が大きければ、スキー板が外れにくくなる。


なぜ開放値は重要なの?

開放値を正しく設定すれば、スキーのパフォーマンスは上がるが、間違って設定すれば、怪我につながる可能性があるからだ。


開放値を高くする時はどんな時か

ダウンヒルレースなど、思いっきり荷重してスピードを出す場面では、開放値を高くして、スキーを外れにくくする。

レーシングなど、開放値を高く設定しなければ、逆に足元が安定せず危険だ。

下記は、一番スピードを重要視する、スキーのダウンヒルレースの映像。

ダウンヒルのようなレースでは、スキーの開放値は高く設定しておく。

また、体重が重い人は、軽い人に比べて、開放値を高く設定するのが良いとされる。


ダウンヒルのスピードの出方は半端じゃない。通常より高い開放値は必須。


開放値を低くする時はどんな時か

初心者が練習する時などは、開放値が低い方が良いとされる。

初心者が開放値を高くして、転んでもスキー板が外れないようになってしまった場合、怪我をおってしまうからだ。

スキー板をうまくコントロールできない内は開放値を小さく設定して、スキー板が簡単に外れるようにしておけば、怪我の心配はなくなる。

このため、自分に適切な開放値を見極めることで、怪我の防止や、パフォーマンスの向上につながる。


ビンディングによって、開放値の最小値と最大値が異なる

ビンディングによって、開放値の最小値と最大値が異なる。

なので、ビンディングを選ぶ際は、デザインや形だけを見るのではなく、開放値も見ておくことが大切となる。

ジュニア用と大人用のビンディングでは最大値は異なるし、大人用でも、レーシング用と一般用では最大値がまた異なる。


開放値を決める要素は?

上記で述べた部分を踏まえ、開放値は下記3点を踏まえて計算される。

  1. 自分の身長・体重
  2. 足のサイズ
  3. スキーレベル

マニュアルにも開放値チャートの記載あり

下記の例のように、各スキーブランドのマニュアルで、体重、身長、足のサイズに合わせた開放値チャートの記載もある。

この基本的なチャート+自分の技量に合わせた開放値の設定が必要になる。

各ブランドのビンディングカタログなどを確認してみると良い。


チャートの一例。フィッシャースキー17/18のテクニカルマニュアルp53より。


ビンディングの取り付けは、S-B-B認定整備技術者へ

開放値に関しては、やはりその道のプロに見てもらうのが一番だ。

S-B-B認定整備技術者セミナーというものがある。

このセミナーは「日本スキー産業振興協会」が主催する、スキーヤーの安全を守るために正しいビンディングの取付け・調整技術を習得することを目的とした技術セミナーです。

S-B-B認定整備技術者セミナー

ビンディングの取付け・調整は、国際規格 ISO 11088:スキー/ビンデイング/ブーツ(S-B-Bシステム)の組み立て・調整に準拠している必要がある。

スキー用品取扱い販売店・代理店の、ビンディングの取付け・調整に関わる正社員が対象になる。

こういった資格を持った、知識のある人に開放値を見てもらうことで、自分のレベルにあった正しいスキー板の設定を学ぶことができる。


その他ビンディングの選び方

より良いビンディングを選べるよう、別途記事に書いた。


まとめ

開放値とは、ビンディングの外れやすさのこと。間違った設定をすると自分のパフォーマンスをうまく発揮できなかったり、怪我にもつながってしまう。

開放値は、自分の体重、身長、足のサイズ、スキーレベルによって決まり、各ブランドで開放値の目安となるチャートのようなものも出ている。

ビンディングの取り付けはS-B-B認定整備技術者というプロもいるので、その道のプロに見てもらうのがベスト。


下記にその他道具の選び方についてもまとめた。


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