オーガニックとは | オーガニックの意味や目的、認証制度や無農薬栽培との違い

食と自然を学ぶ

オーガニックという言葉が広く使われている今、オーガニックとはどういう意味なのか、改めてここで整理する。


オーガニックとは?

オーガニックとは「有機」という意味をもつ。また、化学肥料や農薬などをなるべく使わずに行う農業・栽培法、水産業、畜産業、加工方法全般を指す言葉でもあり、自然環境・生態系を守る循環という考え方も含まれている。


オーガニックの目的

オーガニックの目的・考え方としては、元々の自然の本来の自然環境・生態系の循環を守っていく考え方にある。人間も地球上の食物連鎖や環境の循環の一部として繋がっているため、人類が末長く健康的に暮らし、繁栄していくためには植物、微生物、その他生物の環境も考えるべきだという考え。(1)

例えば農薬や化学肥料を使うと、植物の栄養的には即効性があるメリットがあるが、土の中の微生物を殺し、本来の循環がなくなってしまう。なので農薬・化学肥料を避けることで、本来の循環を守っていくという考え方にオーガニックは基づいている。


有機農業の名前の由来

日本では「有機農業」という言葉ができたのは、1971年に有機農業研究会が創立されたとき。(2) 日本酪農の父と言われる黒澤西蔵が作った「天地有機」という言葉をヒントに作られた。有機の「機」は仕組みという意味を持ち、天地有機は自然の仕組みを活かすという意味が込められている。(2) ここから有機農業は、自然との循環・多様性といった農業と自然の関係性を修復し、自然の力を農業に活かす取り組みだとされる。(2)


循環の様子

有機物はどのように循環されているのだろうか。以下に図を用意した。


土づくりのススメ - 深掘!土づくり考」「炭素循環とは? 温室効果ガスとの関連や窒素循環との違いも解説」を参照して作成


植物

  • 植物が大気中の二酸化炭素を光合成により有機物に変換する
  • 植物が呼吸をし、二酸化炭素となって大気中に放出する
  • 落葉や枯死などにより脱落した植物体は、土壌の有機物として蓄積される

動物

  • 植物体内に取り込まれた有機物を草食動物が食べる
  • 動物の糞や死骸が土壌の有機物として蓄積される

微生物

  • 脱落した植物体や、動物の糞や死骸などの形で土壌に蓄積された有機物が微生物によって分解される
  • 分解したものを植物が吸収し、光合成で栄養を作る
  • 人間や動物が植物を食べる

という形で炭素が循環していく。(4)


オーガニック食品と有機食品は同じ

有機食品と呼ばれるものがあるが、意味的にはオーガニック食品と一緒の意味になる。


有機栽培・有機農業とは

こちらは、国が定める「有機農業の推進に関する法律」によって定義された農業・栽培法。以下のように定義される。


「有機農業の推進に関する法律」による有機農業の定義は以下のとおりです。

1 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない

2 遺伝子組換え技術を利用しない

3 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する

農業生産の方法を用いて行われる農業です。

【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~


オーガニックと無農薬栽培の違い

オーガニックと無農薬栽培は同じ意味ではなく、有機栽培では使って良い農薬は指定されているものの、特定の農薬を使うことは認められている。

特定の農薬は何が含まれているのだろうか?下記のリンクは有機JAS資材評価協議会による有機農産物のJAS別表等への適合性評価済み資材リストになる。

URL:http://www.yuhyokyo.com/wp-content/uploads/2022/04/220411material_list_maker.pdf


オーガニックのメリット

オーガニックのメリットには以下のようなものがある.

  • 一般的な農産物よりも安全性がある確率が高い
  • 環境にやさしい


一般的な農産物よりも安全である確率が高い

有機栽培では、化学肥料や農薬の使用を制限しており、また、遺伝子組み換え技術も使われていないので、通常の農産物より危険性は少ない。

もちろん現在使われている肥料・農薬や技術も徹底した安全検査を元に提供されてはいるものの、これからさらに科学・テクノロジーが発展してさらに検査が進んだ時に、実は危険でした、となる確率もないわけではない。


環境にやさしい

化学肥料・農薬の使用は即効性があり、生育には便利なものの、土の中では微生物が死滅したりして、自然の中の循環が消えてしまう。そうすると生態系が消えていく。農業も化学肥料・農薬に頼った農業になってしまう。


オーガニックの認証制度

日本では、「有機JAS規格」と呼ばれるオーガニックの認証制度がある。JASについての制度の説明は農林水産省では下記のように説明している。


日本農林規格等に関する法律(JAS法)に基づくJAS制度は、食品・農林水産品やこれらの取扱い等の方法などについての規格(JAS)を国が制定するとともに、JASを満たすことを証するマーク(JASマーク)を、当該食品・農林水産品や事業者の広告などに表示できる制度です。

JASについて


戦後の食糧難を補うために農薬や化学肥料が使われ、その後も発展していった近代農業だが、農薬や化学肥料をやめ、有機肥料を使い、生態系・環境にも配慮をしながら作物を作る有機農業の流れもで始めた。しかし、有機栽培という定義があいまいなために市場で混乱が起こったこともあったため、2000 年には「有機農産物の日本農林規格(JAS)」が農林水産省によって定められた。

詳しくはこちらに書いた。


農薬の歴史 農薬はどのように使われてきたのか

続きを見る


以下は有機JASの有機農産物の基準になる。一般社団法人オーガニック認証センターより引用。


・堆肥などで土作りを行っている

・水耕栽培やロックウール栽培ではなく、土壌を用いた農業生産を基本とする

・環境への負荷をできる限り低減した生産方法・種まき、または植え付けの前2年(多年生の場合は3年)以上、禁止された農薬や化学肥料を使用していない

・遺伝子組換え技術を使用しない

有機(オーガニック)認証について


有機JASの検査・認証の対象となるもの

現在、日本において有機基準(有機JAS規格)が制定されている項目については農林水産省の「有機食品の検査認証制度」ページで確認することができる。

URL:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

2022年4月14日調べでは、項目としては、有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料、有機藻類の5種類についての情報が乗っている。


世界のオーガニック認証

他の国でも、有機JASのようなオーガニック認証制度が存在する。


参照:
(1)Q&Aでオーガニックを知ろう!
(2)小口 (2015)
(3)生き物は炭素を中心にできていると聞いたのですが、どういうことですか?
(4)炭素循環とは? 温室効果ガスとの関連や窒素循環との違いも解説
小口 広太 (2015) 有機農業のこれまで・いま・これから ―改めて「地域」の視座から考える― PRIME 38 37-50 https://meigaku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2488&item_no=1&page_id=13&block_id=21

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