食品とは何か。食品の定義や食品の分類について整理する。
食品の定義
食品の定義をいくつか挙げてみる。
人が食べるために直接使用できる、食用可能な状態のものをいう
コトバンクー百科事典『日本大百科全書』
法律上でも「食品」は定義されている。食品衛生法による食品の定義は以下のように書かれている。
第4条 この法律で食品とは、すべての飲食物をいう。ただし、薬事法(昭和35年法律第1 35号)に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まない。
昭和二十二年法律第二百三十三号 食品衛生法
食品と食材の違いは?
食材は料理の材料となるもので、手を加えて調理することで食べられるものも含まれるのに対し、食品は食材を含めた、人が日常的に食べ物として摂取するものの総称のことを指す。(1)
食品の分類について
よく「〇〇食品」という名のつく食品を耳にするが、どのような分類の仲間になるのだろうか。コトバンクによれば、食品の分類については以下のものがあるという。
- 大別的分類 (例:動物性食品、植物性食品、合成食品)
- 動植物上の種類別分類 (例:穀類、種実類、いも類、豆類、野菜類、キノコ類、果実類、魚貝類、獣鳥肉類、卵類、乳類、海藻類など)
- 食品成分表上の分類 (例:日本食品標準成分表で用いている分類)
- 栄養学的分類 (例:デンプン性食品、タンパク質性食品、脂肪性食品など)
- 加工分類 (例:生鮮食品、加工食品)
- 生産形態別分類 (例:農産食品、畜産食品、水産食品、あるいは天然品、養殖ものなど)
- 食習慣上の分類 (例:主食類、副食類、嗜好品類、調味料類など)
- 健康上の分類 (例:健康食品、栄養補助食品、保健食品、純正食品、自然食品、無農薬食品、低エネルギー食品など)
- 加工形態別分類 (例:醸造食品、冷凍食品、レトルト食品、乾燥食品、缶詰食品など)
- 調理形態別分類 (例:インスタント食品、コンビニエンス食品、チルド食品、調理済み食品、キット食品など)
- 特殊目的上の分類 (例:携帯食品、貯蔵食品、非常食品、救荒食品など)
- その他特殊分類 (例:コピー食品、ジャンク食品、合成食品、組立食品、スポーツ食品など)
下記に、一部分類の詳細について書いた。
植物性食品と動物性食品
植物性食品と動物性食品の分類例は以下の通り。
植物性 | 穀類、芋類、豆類、野菜類など |
動物性 | 肉、魚介、卵、乳製品など |
食品成分表による分類
食品成分表は食品の食べられる部分の100gあたりの栄養成分(タンパク質、炭水化物など)やエネルギー等の数値がまとめてある表になっている。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によれば、18の分類に食品を分けている。
食品群 | 食品数 |
---|---|
穀類 | 205 |
いも及びでん粉類 | 70 |
砂糖及び甘味類 | 30 |
豆類 | 108 |
種実類 | 46 |
野菜類 | 401 |
果実類 | 183 |
きのこ類 | 55 |
藻類 | 57 |
魚介類 | 453 |
肉類 | 310 |
卵類 | 23 |
乳類 | 59 |
油脂類 | 34 |
菓子類 | 185 |
し好飲料類 | 61 |
調味料及び香辛料類 | 148 |
調理済み流通食品類 | 50 |
合計 | 2478 |
栄養素による分類
食品に含まれている栄養素に基づいた分類もあり、6つの基礎食品や、三食食品群といった分類方法がある。以下は農林水産省より参照:
赤:体をつくるもと | 肉、魚、卵、牛乳・乳製品、豆など |
黄:エネルギーのもと | 米、パン、麺類、芋類、油、砂糖など |
緑:体の調子を整える | 野菜、果物、きのこ類など |
1群 | 魚、肉、卵、大豆、大豆製品 |
2群 | 牛乳・乳製品、海藻、小魚 |
3群 | 緑黄色野菜 |
4群 | 淡色野菜、果物 |
5群 | 穀類、いも類、砂糖類 |
6群 | 油脂、脂肪の多い食品 |
参照: (1) 食品と食材の違いとは? アイキャッチ画像: Photo by Jimmy Dean on Unsplash