ニセコや白馬に、なぜわざわざオーストラリアや欧米から外国人スキー客がのか?
インバウンドのスキーヤー、スノーボーダーに人気のニセコや白馬。
アジア圏だけではなく、欧米豪のスキーヤー、特にオーストラリア人の間で盛り上がっている。
改めて、なぜ広まったのか、整理。
日本に来る理由
日本に来る理由をまとめると、以下の理由が考えられる。
主にオーストラリアの人がよく来るので、オーストラリア人にとってのメリットも入れた。
- 雪質のよさ。JAPOW
- 日本独自の文化
- 火付け役、インフルエンサーの存在
- 費用面(オーストラリア)
- 夏にスキーができる(オーストラリア)
- 時差が小さい(オーストラリア)
- リピーターと口コミ
1.雪質のよさ。JAPOW
JAPOWという言葉は、パウダー好きなスキーヤー、スノーボーダーにはおなじみかもしれない。
JAPAN+POWDERを掛け合わせた言葉で、日本のパウダースノーの質の良さから、付けられた言葉だ。
アジアからのスキー客は、元々雪がないところからきている人が多いため、初心者が多いが、欧米豪のスキーヤーはガンガン滑る人が多い。
パウダーを楽しみにくる人も多いので、JAPOWはとても重要な要因だ。
YoutubeなどでJAPOWと調べれば、海外のスキーヤー、スノーボーダーが撮影した動画がたくさん出てくる。
日本の雪は、世界でもブランド化しつつある。
2.日本独自の文化
旅の醍醐味はやはりその土地の文化を体験することだろう。
カナダ、アメリカ、フランス、スイスなど、世界で有名なスキー場はいくつもあるが、日本文化は欧米豪のスキーヤーを強く引きつける。
日本食はもちろん、お寺や神社などの歴史的建造物、東京、京都の街並み、地方にある特色のある文化など、非日常を体験できる場所はたくさんある。
日本文化の特徴をうまく捉えて、スキーと融合させたムービーなども数多く作られている。
3.火付け役、インフルエンサーの存在
元々ポテンシャルのある日本のスキー場だが、日本のスキー場が広まり出したのは、日本からの発信ではなく、外国人の発信が始まりだった。
ニセコの火付け役
オーストラリアとニセコの関わりは1995年より始まる。「ニセコ地域における外国人の観光と投資状況に関する報告書 - 2006年ジェトロ」では下記のように書かれている。
ニセコ地区への来訪については、豪州で旅行業を営む John Morrel(ジョン・モレル)氏が 1990 年代半ば頃から数名単位のスキー客をニセコのスキー場に連れてきていたのが源流である。雪質の素晴らしさが口コミで伝わり、この顧客層は 200~300 名ほどの固定客に育っていった
ニセコ地域における外国人の観光と投資状況に関する報告書 - 2006年ジェトロ
外国人目線でニセコの魅力を発信したからこそ、うまく通じたのかもしれない。
また、オーストラリア人スキーヤーのロス・フィンドレー氏が、1994年にニセコアドベンチャーセンター(NAC)を設立し、夏のアウトドア観光を支える中心的な事業に発展(1)。夏の観光や、冬のスキーリゾート事業の展開にも大きな役割を果たしている。
インフルエンサー
インフルエンサーが果たす役割も大きい。影響力の大きいスキーヤー、スノーボーダーも日本のパウダーの素晴らしさを紹介している。
上記のムービーはショーンホワイトの日本でのパウダーシーン。
また、白馬で行われてるFreeride World TourでのTravice Riceの投稿。
フィンランドのプロスノーボーダー、Antti Auttiは北海道や白馬でなく、新潟県の南魚沼市でパウダーを楽しんでいる。
4.費用面(オーストラリア)
カナダやアメリカのスキー場ではチケット代が100ドル近くするが、日本なら、3500 - 5000円ほどでチケットが購入できる。
また、オーストラリアからすると、距離や為替変動によっても、場合によるとカナダ、アメリカ、ヨーロッパへ行くより、旅費が安くなる。
5.夏にスキーができる(オーストラリア)
南半球に住むオーストラリア人にとっては、夏に質の良いパウダーでスキーができるのも魅力的。
6.時差が少ない(オーストラリア)
オーストラリアから日本の時差は大差がない。負担がないのは嬉しい部分だ。特にスキー、スノーボードをしに来るのであれば、時差ボケなどは避けたい。
7.リピーターと口コミ
ニセコの火付け役の部分で書いたが、初期のニセコは雪質が良いと口コミによって広まり、火がついた。
結局上記の色んな要因で、足を運んできてくれた人が日本のスキー場で良い体験をし、口コミが広まってまたきてくれてるのでは、と思う。
まとめ
以下、なぜ欧米豪のスキーヤーが日本に来るのか、理由をまとめてみた。
- 雪質のよさ。JAPOW
- 日本独自の文化
- 火付け役、インフルエンサーの存在
- 費用面(オーストラリア)
- 夏にスキーができる(オーストラリア)
- 時差が小さい(オーストラリア)
- リピーターと口コミ
海外から伝わるフリーライド文化
海外からのスキーヤーが増えることによって、フリーライドの文化にも着実に影響が出ている。
別途フリーライド文化の影響について書いた。
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