雪はなぜ白いのか:雪の結晶は透明なのに雪は白い理由

なぜ雪は白いのか。この一見単純に思う疑問の裏には、光に関しての様々な興味深い仕組みが隠されている。


色が見える時はどんな時か

そもそも人間が色を見るとき何を認識しているのか。それは太陽などが発する光の中に含まれる波の波長に秘密がある。



波長の長さによって性質は異なり、様々な波長の中にある「可視光線」という波長から色を認識している。色によって波長の長さは変わり、380nm - 750nmの長さの中で「可視光線」の波長は変化する。(1)


USHIO INNOVATION LABウェブサイト情報をもとに作成


色をついているものをみるとき、光が反射されて特定の可視光線の波長は吸収されるが、特定の波長は反射されるために人間はその反射された波長を見て色を認識する。例えばりんごを見た時は、光が反射されたときに赤色の波長以外の波長は吸収され、赤い波長だけ反射されることによって、人間の目で赤を認識することができる。



「白」という色について

では白色はどのような波長を見たときに見えるのだろうか。人間の目には「光の三原色」を感じる力があり、波長が短い光を青に、波長が長い光を赤に、その中間を緑に感じ取る。

光の三原色を利用した色の表現方法を「RGBカラーモデル」とも呼ばれているが、このRBGカラーモデルはディスプレイやコンピュータ、スマホなどに使われるなど、身近なものに使われる。RGBでは三原色全てを100%にすると、白になる。



白色は全ての光が偏りなく反射して目に届くことで、白を見ることができる。


雪はなぜ白く見えるのか

雪が白く見える理由もこの可視光の説明が答えとなる。反射光の中で全ての可視光線が目に届くために、白く見える。

では、なぜ雪の結晶単体で見ると透明に見えるのに、雪の結晶が束なると白く見えるのだろうか。その理由は「乱反射」にある。水や雪の結晶は波長を反射・吸収するよりは、透過するために透明に見える。



天然の雪片をマクロ撮影したもの CC 表示-継承 4.0


これが雪の結晶が集まるようになると、光は色々なところで反射し出し、光は透過しにくくなる。この乱反射によって結果的にほとんどの可視光の波長は反射され、人間の目には白として認識されるようになる。



氷は透明だがかき氷にすると白く見えたり、ガラスは透明だが粉々に割ると白く見える、といったような現象も、同じような理由で白く見える。


参照:
(1) USHIO INNOVATION LAB

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