米麹は日本の食文化に欠かせないものであり、日本酒や発酵調味料など様々なものに使われている。米麹とは一体何か。
米麹とは
白米に「麹菌(こうじきん)」を繁殖させたものを「米麹(こめこうじ)」という。
米麹を作るために必要な「麹菌」とは
そもそも麹菌とは一体なんだろう?麹菌は「コウジカビ」と言われ、カビ(糸状菌)の仲間に分類される。パンに使われる「酵母」や、食材で使われる「キノコ」と同じく、真菌類に属する生物だ。
この麹菌の中にも色々な種類があり、東アジアに約200種類の麹菌がいると言われるが(1)、その中の数種類が発酵食品に欠かせないものとなっている。例を以下にあげてみよう。
- 黄麹菌 (学名:Aspergillus oryzae)ー「味噌」「日本酒」の原料
- 白麹菌(学名:Aspergillus kawachii)ー「焼酎」の原料
- 黒麹菌(学名:Aspergillus luchuensis)ー「泡盛」の原料
- 紅麹菌(学名:Monascus purpureus)ー「豆腐よう」「紅酒」「老酒」の原料
- カツオブシ菌(学名:Eurotium herbariorum)ー「鰹節」の原料
2006年に日本醸造学会により,日本を代表する微生物「国菌」としても認定されている。
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麹菌とは:日本の和食や発酵文化を支える麹菌の種類や役割について整理する
麹を作るために使われ、湿度の高い東アジアや東南アジアにのみ生息する糸状菌「麹菌」は日本に独特な和食文化をもたらした。
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他にもある「麹(こうじ)」の種類
麹は米麹の他にも「豆麹」や「麦麹」がある。原料となる穀物によって麹の種類が変わる。
米麹は何に使われるのか
米麹が何に使われているのかを見ると、日本の和食文化に欠かせないものであることがわかってくる。
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甘酒も米麹によって作られる飲み物。
発酵調味料
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参照: (1) ニッポンのコウジ