稲作の準備で浸種(しんしゅ)が終わると次は種籾の催芽作業が始まる。種籾の芽出し作業の役割や手順について見ていく。
種籾の芽出し作業とは?
種籾を暖かいお湯につけることで一斉に種籾を発芽させる作業のこと。
種籾とは
種籾(たねもみ)とは稲の栽培のための種にするお米のこと。
催芽とは
催芽(さいが)とは、種籾を発芽させることをいう。
催芽作業の目的
全ての種の発芽を揃えるために水の温度調整をして催芽作業を行う。自然に待っていても発芽はするが、自然に任せると早く発芽する種もあったり遅く発芽する種もあったり成長のタイミングがバラけてしまうことが多い。最初の発芽だけタイミングがそろえば、その後の成長には大した差はあまり出ないため、芽出し作業を行って種籾の発芽のタイミングを揃える。
使用している催芽機
黒倉生産組合では催芽機にTIGERのアクアシャワー(ハトムネ催芽機)を使用している。公式サイトに仕様や値段が記載されている。
公式サイト:https://www.tiger-k.co.jp/info/aqua-shower
催芽作業の手順
黒倉生産組合では以下のように作業を進める。
- ぬるま湯に浸けるためのシャワー機をセット
- ぬるま湯に浸種後に乾燥させた種籾を浸ける
- 次の日に発芽しているかをチェック
- 全ての種籾がバランス良く発芽しているようであればぬるま湯から種籾を出す
- 成長を止めるために種籾に水をかけて温度を冷やす
催芽方法
芽出し作業では、種籾を暖かいお湯の中に入れる必要がある。黒倉生産組合では、27度のぬるま湯の中に種籾を1日浸していく。この時は13時からぬるま湯の中に種籾を入れる。
次の日の8時頃、発芽しているかをチェック。発芽している部分もあれば発芽していない部分もあり、どの程度でお湯からあげれば良いのかを判断するのが難しい。
こうしてじっくり種籾を見ながら、表面だけ出ているのか、中の方は出ているのか、いつぬるま湯から出すべきか、議論しながら乾燥作業に入るまでのタイミングを決めていく。出した種籾から、水をかけて温度を冷やしていく。温度を冷やすことで、種籾の成長スピードをまた緩めていくことにつながる。
水をかけて温度を冷やしたら、最後は乾かして乾燥させる。
ここまでが催芽作業となる。
催芽時間
2022年催芽作業では、27度のお湯で13時からぬるま湯の中に種籾を浸し、次の日の8時には微妙に出てきていたので19時間後には発芽が始まっていた。
催芽作業の次のステップ
催芽作業を終えると、次は「播種」(はしゅ)と呼ばれる種まき作業が始まる。
-
水稲播種:育苗箱を用意し、播種機を使って播種を行う
種籾の浸種や催芽作業が終わると、次は播種機を使った播種(はしゅ)作業が始まる。水稲播種の方法について整理していく。
続きを見る
稲作の作業の流れ
稲作作業の全体の流れは下記にまとめた。
-
稲作の手順 :お米作りの一年の流れを整理する
日本の食には欠かせないお米。稲作は日本古来から行なわれ、稲作から日本の文化も多く生まれた。ここではお米づくりの一年の流れと稲作の手順を紹介する。
続きを見る