収穫した稲は「籾摺り(もみすり)」という作業工程を通じて玄米になる。もみすり作業にはどのような過程があるのか、その作業工程を見ていく。
もみすりとは

もみすりとは、籾から籾殻(もみがら)を取り除いて玄米にする作業のことをいう。

乾燥から籾摺りまでに必要な設備
稲を収穫後、籾を乾燥していき、乾燥した籾を籾摺りをすることで玄米にする。現在の慣行栽培では機械化が進み、籾の乾燥から玄米になるまで、2日もあればできてしまう。現在の黒倉生産組合の共同作業所には乾燥から籾摺り、玄米を袋詰めするまでの設備が揃っており、以下のような機械設備が設置されている。
- 乾燥機(籾を乾燥させる機械)
- 籾貯蔵タンク(乾燥した籾を溜めておく機械)
- 籾摺り機(籾から籾殻を取り除いて玄米にする機械)
- ライスグレーダー(籾摺り後の玄米からゴミやくず米を分別する機械)
- 色彩選別機(玄米を袋詰めする時に、石などの異物を取り除いたり、カメムシやカビなどが原因で着色したお米、青米などを取り除く機械)
- 自動計量選別機(玄米を計量する機械)

籾摺りのやり方
籾摺りは以下のような作業手順で進んでいく。
- 乾燥機に籾を張り込み
- 送風、乾燥、籾貯蔵タンクへ排出
- 籾摺り機で籾摺り(籾が玄米へ)
- ライスグレーダーでお米選別
- 色彩選別機でお米選別
- 自動計量選別機で計量・玄米の袋詰め
乾燥機に籾を張り込み

まずは刈り取った籾を乾燥させるため、乾燥機に籾を入れる「張り込み」という作業が始まる。大体モミは刈り取ってすぐだと20ー25%ほどの水分量だが、これを15%前後まで乾かしていく。機械で乾燥させる場合、水分量にもよるがこちらは大体8−9時間あれば15%ほどの水分量まで乾かすことができる。

送風、乾燥、籾貯蔵タンクへ排出
張り込みを終えるとすぐに送風していく。収穫したばかりの籾は水分量にムラがあるため、まずは送風をして水分量のムラをなくしていく。また、張り込みして送風せずにそのままにしておくと、湿気でカビが増殖する危険性があるため、張り込み後はすぐに送風する。送風が完了後、乾燥させていくという手順になる。

乾燥機には籾の量によって調整するボタンや、仕上げ水分量、乾燥スピードを調整することができる。

乾燥後は、乾燥機には「排出」という乾燥機の中の籾を籾貯蔵タンクに送る機能があるので、排出によって籾貯蔵タンクに送る。
はさかけによる自然乾燥

自然乾燥はお天道様の光で乾燥させる方法だが、自然乾燥をするためにはさがけ場を作り、そこに刈った稲を干していく形になる。大体2−3週間乾燥させ、雨が降った時はブルーシートを上から被せて雨をよけるようにして対応する。もし自然乾燥で目安の15%前後まで乾燥が完了できれば、機械では張り込み、排出のステップのみとなる。
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籾摺り機で籾摺り(籾が玄米へ)

乾燥が終わると籾摺りをおこない、籾から玄米にしていく作業になる。

籾摺り後、パイプを通して外の袋に籾殻が溜まっていく。この籾殻は、田んぼの肥料になったり、燃やしてくんたんにすることで、畑の肥料にすることもできる。

ライスグレーダーでお米選別

籾摺り後、玄米は整粒と屑米に分類されていく。ここで分別されたお米はそれぞれ異なる用途で使用することができる。ここで分類されたくず米は、鶏の餌だったり、田んぼに混ぜて肥料として使うことができる。中米は麹とまぜることで米麹として使うことができる。

色彩選別機で選別

色彩選別機では、石などの異物を取り除いたり、カメムシやカビなどが原因で着色したお米、青米などを取り除くことができる。

自動計量選別機で計量・玄米の袋詰め

こうして選別された良い状態の玄米だけが自動計量選別機を通って、米袋へ流れていく。自動計量選別機はセットされた玄米袋が一定のkg数に達すると、自動的に玄米を流すのをストップしてお知らせしてくれる。その時に新しい袋に入れ替えて、玄米がまた米袋をいっぱいにする間に、いっぱいになった米袋を縛っておくという流れになる。


こうして美味しいお米が消費者の手元へ届いていく。

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