播種が終わり、苗が伸びてくることが確認できると、苗出し作業が始まる。2021年10月から新潟県十日町市松之山黒倉で地域おこし協力隊に着任しており、農業をお手伝いさせていただいているので、ここでは黒倉生産組合で行った苗出しの様子を整理していく。
苗出しとは
苗出しとは播種後に保温して芽が出てきた育苗箱をビニールハウスや外に出し、不織布などを上にかけて弱い光を当てながら育苗する準備をすること。
なぜ苗出しをするのか?
播種後、保温された暗い場所から急激に出てきた芽は急に強い直射日光に当てると障害で苗が緑に変化なくなる場合がある。(白化現象とよばれる)(1) なので芽が出てきた育苗箱を外に出し、不織布などを上にかけることで、弱い太陽光を芽に当てて徐々に育てていくことができる。

弱い光を当てて葉緑体を少しずつ活動させ、芽を伸ばすことを「緑化」と呼び、発芽機から出して外の環境に慣れさせることを「硬化」と呼ぶ。
苗出しの作業の流れ
黒倉生産組合では以下のように作業を進める。
- 白い芽が均等に出ているかをチェック
- 軽トラ・一輪車に載せて、各農家の苗代場所へ
- 育苗箱を列にしておいていく
- 不織布を上に被せる
苗出しの様子
まずは発芽機内の白い芽が均等に出ているかをチェックし、全て出ていると判断したら、軽トラに積んでいく。

黒倉生産組合では、黒倉の農家の苗作りをまとめて行っており、育苗から各農家が自分の苗代で責任持って行うという流れになっている。なので芽が出た育苗箱をそれぞれの苗代に運んでいく。

運んだら、育苗箱を一列に並べていく。育苗箱が地味に重く、並べる枚数も何百枚という数になるため、一輪車を使ったり、軽トラの荷台からおろす役と運ぶ役、並べる役、と役割を分担したりしてなるべく負担がかからないように工夫していく。



並べ終わった後は最後にシートをかけ、弱い太陽光を芽に当てて育てられるような環境にして完了。


2022年度、苗出しをしたのが4月14日。まだまだ田んぼには残雪は残るが、着々と田植えのための準備は進んでいく。
稲作の作業の流れ
以下に田植えまでの流れをまとめた。
稲作作業の全体の流れはこちら。
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稲作りの1年の流れと稲作の手順 | 雪国でお米ができるまで
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(1)大阪府立環境農林水産総合研究所