手作業の稲刈り:昔ながらの手刈り体験レポート

現在ではコンバインでの稲刈りが主流であったが、昔は稲刈りを手作業でやっていた。今回手作業で稲刈りを行った時の体験レポートをお届けする。


田んぼは水が溜まっている状態で

今回は湛水状態(田んぼに水を溜めている状態)で稲刈りをすることにした。コンバインで稲刈りをする場合は、コンバインの走行性を安定させるために田んぼの水を抜き、土を乾かしておく必要がある。いつ水を抜くことで稲刈り時にちゃんと土が乾くのか、タイミングとの戦いがあるが、手刈りの場合は土を乾かさなくても湛水状態の田んぼにそのまま入って稲刈りができるので、良く稲が熟されたと思えばすぐに稲刈りができる。

また、かつての日本の伝統的水田の水環境には多くの生物が生育していたが、近代化された現在の慣行水田はほとんどが乾田化されて生物多様性の面では課題が大きく残るという指摘もあり、一年中水を張っておくことで生物多様性の面でも利点があると言われる。(1)


稲刈りの様子

穂が出て稲穂が垂れ下がるとといよいよ稲刈りの時期が始まる。稲刈りには鎌を使用する。コメリなど、ホームセンターで入手が可能だ。


Photograph : Shotaro Kamimura


大体4束を一気に刈っていき、片手で持ちきれないぐらいになるとそれを一旦地面においてまた次の刈り取りに進む。手作業の稲刈りの場合、大きなソリがあると便利で、田んぼにソリを浮かせておきながら稲刈りをすることで、片手で持ちきれなくなった時に稲の束をソリに置くことができる。ちょっとずつ移動する時も、そりを少し引っ張れば良いので移動が楽だ。腰にはワラを携えてゴムで腰あたりに縛っておくと、稲を縛る時には便利だった。


Photograph : Ami Ota


そしてソリの中も稲を置く場所がなくなると、自分の腰にくくりつけたワラを使って縛り上げていく。そりは稲を縛る場所としても使える。もし稲架かけをする場合、この稲は一まとまりで大体12ー16束ぐらいでまとめて調整する。稲架かけの形にもよるが、もしあまりに太すぎると、重くなりすぎて稲架かけの上段に投げる時にかなり大変になってしまうし渇きにくい。

エプロンは重要で、縛る時にお腹の部分と茎の部分を合わせて出ている茎を平行にするのだが、結構水が滴ってズボンにしみたり、長靴に入ってくることもある。エプロンをしていると、防水にもなる。手刈りのメリットは雨でもできることだが、10月にもなると雨の日に服までびちょびちょになると結構寒い。風邪を引かないためにも、エプロンは必須だ。


Photograph : Ami Ota


こうして刈って縛った稲がある程度まとまると、稲架かけにかけていく形になる。


Photograph : Shotaro Kamimura


稲刈りのための準備

これまでの様子を踏まえて、以下のような準備があると良いと感じた。

  • 作業着:汚れても良い格好で
  • やっけ:汚れても良いように
  • 田んぼ用長靴:田植え同様ぬかるみで脱げやすいので、田んぼ用長靴を用意
  • 防水用エプロン:刈った稲を縛る時に両手で稲を持ち、腹で稲を平行にする動作があるのでお腹周りが濡れやすい。防水用エプロンがあると便利
  • 鎌:稲を刈るため
  • ワラ:稲を縛るため。去年収穫した稲からワラを取っておくか、買うなどして対応
  • ゴム:腰回りにワラを縛り付けるため
  • 大きなそり:刈った稲を置いたり、稲を縛る場所として活用


稲が倒伏してしまった場合に起こること

水を張り続けた田んぼに稲が倒伏して完全に水に浸かってしまうと、しばらく経つと稲が変色してくるのが見える。


Photograph : Shotaro Kamimura


倒伏した稲から芽が出てくることもある。


Photograph : Shotaro Kamimura


参照:
(1) 冬期湛水が水田雑草に及ぼす影響


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