苗代とは:苗代の作り方について

稲作では水田で田植えをする前に、別の場所で種子から苗を育てる「育苗作業」を行うが、苗代はその育苗作業において重要な役割を果たす場所だ。苗代はどのように作るのだろうか。


苗代とは何だろう

「苗代」とは、水田などで稲の苗を育てるために用意された専用の場所を指す。育苗のためにさまざまな設備が必要になるのだが、なぜわざわざさまざまな設備を使って育苗をする必要があるのか、メリットを以下にまとめた。


なぜ育苗をするのか

なぜわわざ育苗をするのか。「米殻機構 米ネット」によれば苗を植えることについて五つの理由を挙げている。

  1. 品質の統一:稲の成長と実りの時期を揃えて、一斉に稲刈りができるようにし、かつ品質を統一させることができる
  2. 雑草対策:ある程度大きくした苗を田んぼに植えることで、雑草に対して稲に有利な立場を与える
  3. 栽培時期の調整:寒冷地であれば、寒い時期でもビニールハウスなどで穂の出る時期を早め、冷害を避けれるし、温暖地であれば秋の台風の時期より早く穂を出させることで、収穫を安定させる
  4. 栽培条件の選択・改良:植える苗の状態や本数、株の間隔を自由に選べるので、水田ごとに最適な条件を選ぶことができる
  5. 鳥害や病気を防ぐ:田んぼにまいた種籾が鳥に食べられるのを防ぐ。また、カビなどの微生物による病気や害虫から守ることで、自然の中でも生育できる状態を作ることができる


苗代の作り方

松之山黒倉集落での苗代作りの様子をここで紹介する。黒倉集落では2022年に一箇所共同苗代として、新規に作ることになった。新しく苗代を作るときには土台作りから始まる。まずは苗代のスペースに砂利を敷く。四すみに棒を立ててそれぞれ位置を計測し、水平になるように見ていく。




計測後、釘で打って、紐で縛る。



紐を張ったら張った紐に合わせて砂利をならしていく。



こうしてならした土の上に防草シートを張って土台作りは終了。

2023年の苗代作りの作業の開始は4月5日。苗出しのスケジュールは4/11なのでそれに合わせて作成することに。黒倉の冬は4m近くの雪が降るため、地面がおし固められて地面がしっかりするようになった。



まずは育苗箱を並べ、横のサイズや並べる枚数などを確認。確認終了後に材木を並べていく。



木材を止めるときは、杭を使って打ち止める。




材木を並べていくと、どうしても土が寄って平らではないところが出てくる。そうすると水が均等に配分されない可能性もあるので、平らにしていく。



材木で木枠を作った後、この後にシートを被せていく。シートはプール育苗用のシートが売っている。



シートを広げ、あとは留め具を止めて飛ばされないようにする。



最後に、苗代に育苗箱を運ぶときは一輪車を使うので、運びやすいように道を作っておく。



いよいよ苗出しへ

苗代作りが終わると苗出し作業の準備は完了。播種作業から育苗機で育てていた苗を外に移す作業になる。


水稲育苗:田植えにむけた育苗作業と苗出し

播種が終わり、出芽するといよいよ苗出しをして育苗の作業に移る。ここでは苗出しから育苗までの流れを整理していく。

続きを見る


稲作作業の全体の流れはこちら。


稲作の手順 :お米作りの一年の流れを整理する

日本の食には欠かせないお米。稲作は日本古来から行なわれ、稲作から日本の文化も多く生まれた。ここではお米づくりの一年の流れと稲作の手順を紹介する。

続きを見る


関連記事

関連トピック

#    #    #    #    #    #    #    #