日本列島の山地の面積は約75%を占め、山は日本人の生活に大きな影響を与えている。一体山はどのようにしてできているのだろうか?
地球上の運動を説明するプレートテクトニクス理論
山の成り立ちに関して大前提として、“プレートテクトニクス理論”という地学における理論がある。地球の表面を覆っている十数枚のプレート(岩盤)が、地球上のあらゆる運動を引き起こしているという考え方で、1960年代の後期に登場した。
- 山の成り立ち
- 地震
- 火山活動
- どのように大陸が動いているのか
などの、山の成り立ちを含め地球上の運動はプレートテクトニクス理論で説明できるとされている。
プレートはどこにあるのか?
この図は地球の断面図を表しており、1a, 1bに当たる場所がプレートになる。
また世界地図上で見ると以下のようにプレートがあることがわかる。
山の形成とプレートテクトニクス理論
プレートテクトニクス理論から生じる以下の要因が、山を形成していると考えられている。(1)
- 断層運動
- 造山運動 (付加体の形成や大陸の衝突)
- 火山活動
- その他(氷河の作用、花崗岩の上昇、泥火山など)
1 - 断層運動
地球の表面を覆っているプレートがずれ動く運動を断層運動という。断層運動によって、縦にずれた「縦ずれ断層」と、横にずれた「横ずれ断層」が出来上がる。
こうして断層がずれ動くことによって、次に紹介する造山運動が生まれる。
2 - 造山運動
造山運動には二つのパターンが存在する。(1)
- 付加体による山の形成
- 大陸の衝突による山の形成
付加体による山の形成
海の下にある海洋プレートが陸近くまで移動してくると、陸から運ばれてきた様々な堆積物(プレートの上に載っていた生物の遺骸、火山灰、プレート本体を形作っている火山岩、珊瑚礁の島の破片など)が混ざり合い、プレートが海溝で沈み込みを開始するとこれらの堆積物も変形していく。(1)
最後には断層ができるまでになっていき、こうしてできた断層を「付加体」と呼ぶ。(1)
大陸の衝突による山の形成
もう一つは、大陸の衝突によって山が形成されていく。
堆積物が付加体となって陸になるまでは同じだが、違う点は大陸は軽いためにプレートのように海溝に沈み込めず、もう一方の大陸とくっついてしまう。この時大陸と大陸の間にある堆積物も地下に行けず、上に押上げられていく。こうして堆積物が積み上げられて、山脈になる。 (1)
3 - 火山活動
火山活動も断層運動や造山運動と同じく、山の形成につながっている活動だ。火山活動によって何度も噴火を繰り返し、その噴出物が重なって山となる。
そもそもなぜ火山は噴火するのか?
海水を吸ったプレートが大陸の下に沈み込むとき、マントルの一部が溶けてマグマができると考えられている。このマグマはある場所に溜まっていき、「マグマ溜まり」というものを作る。このマグマ溜まりから割れ目などの通路を通じて地表まで上がってくる。
山が及ぼす社会への影響
山や地球の地形が人間の社会に与える影響は計り知れない。このメディアでテーマにしている里山や雪国の暮らしという観点で影響を見るならば、以下のような影響がある。
雪
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注: (1) 藤岡 (2012)
参照: 藤岡換太郎 (2012). 山はどうしてできるのか ダイナミックな地球科学入門 (ブルーバックス). 講談社.